メディア・ニュース 更新期日 2004/6/11

  ★パイオニア…55倍速でダビングできるDVDレコーダー
  ★TDK・・・傷・ホコリに強いDVD+R
  ★電機・情報大手220社、次世代DVDの記録規格承認 
  ★パイオニア、五輪商戦向けにプラズマテレビ5機種
  ★次世代DVD規格問題でソニーなど予備調査・米司法省
  ★NEC、次世代DVDと現行DVDの両方を記録再生できる装置
  ★ソニー、「ブルーレイディスク」で次世代光ディスクレコーダー市場開拓
  ★ソニーのブルーレイディスクレコーダー
  ★ブルーレイディスク(BD)規格とは
  ★地上デジタル放送って何?…地上アナログ放送は2011年終了
  ★携帯電話向けテレビ放送延期…地上デジタル、圧縮技術はMPEG(エムペグ)4特許使用料が問題

★パイオニア…55倍速でダビングできるDVDレコーダー

2004/5/27

 パイオニアは26日、55倍速でダビングできるDVDレコーダー2機種を6月下旬に発売すると発表した。同社の従来製品には搭載されていなかった電子番組表での録画が可能。従来機種も含めてDVDレコーダーで世界シェア20%の獲得を目指す。

 内蔵ハードディスクからDVDへの書き換え作業を業界最速の55倍速でできる。1時間番組なら最短で66秒でダビングできる計算。

  価格はオープンだが店頭では、250ギガ(ギガは10億)バイトのハードディスクを内蔵する「DVR―620H―S」=写真=が12万5000円前後、 160ギガバイトの「同520H―S」が9万5000円前後の見通し。ハードディスクを搭載しない「同320―S」も同時期に発売、店頭価格は5万円強の 見込み。

★TDK・・・傷・ホコリに強いDVD+R
2004/5/25

 TDKは一度だけ書き込みができる「DVD+R」で、記録面を樹脂でコーティングし、傷やほこりに強い製品を6月21日に発売すると発表した。色素系の 記録膜を痛めないように紫外線からも保護する。「超硬(スーパーハードコード)」と呼ぶシリーズで、傷に対しては一般DVDの約百倍、光照射には約3倍強 いという。同シリーズではこれまで「―R」と「―RW」を発売していた。4倍速記録に対応する。オープン価格だが店頭実勢は1枚600円、5枚パックで 2500円程度の見込み。

★パイオニア・・・五輪商戦向けにプラズマテレビ5機種

2004/5/25

 パイオニアは20日、プラズマテレビ「ピュアビジョン」=写真=5機種を6月中旬から順次発売すると発表した。独自開発した階調の調整技術を用いて業界 最高となる57億5000万色を実現した。高い画質を武器にアテネ五輪商戦向けに売り込む。全機種合計で月間1万台の販売を目指す。

 いずれも地上・BS(放送衛星)・110度CS(通信衛星)のデジタル放送に対応する。画面前面にあるガラスを2枚から 1枚に減らして光の反射を抑えた。テレビに日が差し込んでも映像が見やすいという。SDメモリーカードに記録した静止画を画面に映し出すことができる。

 50型2モデルと43型3モデルの計5機種。スピーカーのサイズなどが異なる。価格はオープンだが50型がどちらも85万円前後、43型が60万円強―65万円程度の見通し。

★電機・情報大手220社、次世代DVDの記録規格承認

  現行DVDの後継となる大容量光ディスク機器が2005年にも発売される。日米欧の電機・情報大手や映画会社など約220社は東芝とNECが提唱する 「HD DVD」を次世代の記録規格に承認、各社が一斉に製品開発・量産に乗り出しやすくなった。次世代光ディスクではソニーなどが進める規格もあるが、 HD DVDが世界標準になる可能性が高まった。

 25日、約220社で構成するDVD規格の世界標準団体、DVDフォーラムは幹事会を開き、HD DVDを次世代の記録用DVDとして認めた。再生専用 の規格も既に承認しており、電機・情報各社は次世代DVDレコーダーなどを生産できるようになる。東芝とNECは2005年中にHD DVD機器を売り出 し、他社も追随する。

★次世代DVD規格問題でソニーなど予備調査・米司法省

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は26日、次世代DVDの技術規格をめぐる標準化作業に関連し、米司法省がソニー、松下電器産業、フィ リップス(オランダ)などでつくる開発グループに対し、競争制限的な行為がなかったかどうか予備調査に入ったと報じた。

 同紙によると米司法省は、世界のハイテク企業などでつくる標準化組織「DVDフォーラム」でのブルー・レイ陣営の行動が、標準化作業を妨害しなかったか どうかに注目。司法省の広報担当者はコメントを拒否しているという。予備調査について、ソニーは「事実関係を確認中」(東京の広報担当者)、松下も「現時 点で何も聞いていない」(同)としている。ソニー、松下の陣営は「ブルー・レイ」と呼ばれ、東芝、NECなどでつくるグループと競合しているが、DVD フォーラムは昨年11月、東芝、NECなどのグループの規格を承認した。

★NEC、次世代DVDと現行DVDの両方を記録再生できる装置

 NECは1つの光ヘッドで次世代DVDと現行DVDの両方のディスクを記録再生できるDVD装置を開発した。地上デジタルハイビジョン放送などの高精細 映像を光ディスクに記録・再生できる。次世代DVDは「HD DVD」方式。現行DVDと似たディスク構造の採用により、装置の小型・薄型化、低コスト化 が可能になるという。書き換え可能型ディスクの規格もすでにDVDフォーラムに申請中で、来年第1四半期にも承認される見通し。民生用AV機器とともに ノートPCなどの記録装置として市場を開拓、2005年の商品化をめざす。

  試作機は、DVDの規格を策定するDVDフォーラムで11月に承認されたDVD再生専用ディスク規格「HD DVD−ROM Ver.0.9」に準拠し た。現行のDVDと同等の大きさで、15GBと従来の約3倍の記録容量を持つ。次世代光ディスクの規格には、このほかにソニーやフィリップスが推進する 「Blu−ray Disc(BD)」規格があり、ソニーがすでに4月にAV用レコーダーを商品化しているが、「HD DVD」は現行のDVDと同じ「厚 さ0.6mmディスクの2枚張り合わせ方式」のため、現在のDVD生産設備が流用でき、低コストが実現できる。
 次世代光ディスク用の波長の短い青色レーザーダイオードと、現在普及しているDVD装置に搭載されている赤色レーザー光源をひとつの光ヘッドに集約し た。豊富に流通する現行ソフトも再生できるよう互換性を重視、現行DVDからのスムーズな移行をめざす。試作機にはすでに録画・再生機能も盛り込んでお り、書換可能型ディスクの規格が承認され次第、技術を発表する。「事業化にはハリウッド映画、PCメーカーの採用の2つがキラーアプリケーションになる」 (NECの渡辺久恒・研究担当執行役員)と見ており、2005年に商品化、2006年以降に普及が始まると予想している。

 「HD DVD」方式はBDに比べて、対物レンズのNA(開口数)が小さいため、レンズとディスクの距離が1mm程度とBDの10倍以上 長く、ゴミに強いなどコンピューター用のベアディスク(裸のディスク)をつくるのが容易とされる。パッケージがないのでスリムなドライブを実現できるほ か、記憶容量を2倍にできる「二層化」にも対応しやすいなどのメリットがあるという。

ソニー、「ブルーレイディスク」で次世代光ディスクレコーダー市場開拓

 ソニーは、次世代大容量光ディスク“ブルーレイディスク”(以下BD、片面1層・23ギガバイト)に、BSデジタルハイビジョン放送の高画質信号を約2 時間記録・再生できる、ブルーレイディスクレコーダー「BDZ-S77」を世界で初めて商品化、4月10日に発売する。実売価格は40万円程度になるとみ られる。ソニー・ブロードバンドネットワークカンパニー企画部・統括部長の河内幸紀氏にこの時期にBDを投入した狙いと今後の戦略について聞いた。(聞き 手はニュース編成部・森 幸茂)

――昨年からHDD内蔵型を中心にDVDレコーダーの市場が急速に拡大する中で、なぜこんなに早く現行DVDとは異なる規格の次世代光ディスクレコーダーを市場に出すのでしょうか。

 「技術レベルの交流がありますから、他社もソニーの発売時期を知っていたと思います。昨年から ソニードリームワールド、CEATEC、CESなどの展示会にプロトタイプを出展してきて、多くのお客様と直接接してブルーレイディスクレコーダーの真価 をお見せする機会がありました。すでにデジタルハイビジョン放送が始まっているのに、それを録画・再生するソリューションが光ディスクでは提供できていな かった。非常に多くのお客様が待望しているのをひしひしと感じていました。もともと2003年春の発売を目指していましたが、とにかく一刻も早く出した かった」

ハイビジョン録画、8ミリのダビングなどニーズは多い

――現時点で一部の映像マニア向けだけでなく、もっと広範なニーズがあるとお考えですか。

  「BSデジタルハイビジョン放送は本放送が始まって3年目になり、BDを待っていられなくてデジタルハイビジョンビデオを買った人もいます。こうしたユー ザーで“BDが出ればすぐにでも買いたい”と言う方は大勢いらっしゃいます。ハイビジョンの録画ニーズは大きいのです」

 「また、デジタルハイビジョン放送の録画以外にも、例えばデジタルビデオで撮った映像 をDV端子を通してBDに録画すれば、非常に高画質で記録できます。DVの場合、MPEG-2 TSにトランスコードして録るのですが、現行のDVDレコーダーと比べても画質が全然違います。SDのMPEG-2の規格上最高レートの16Mbpsで記 録しますから、ほとんど劣化のないものすごい高画質で録画できます。現行のDVDレコーダーは転送レートが最大10.8Mbpsしかない上、容量も 4.7GBなので最大レートでは1時間しか録画できません。BDは容量が23GBと現行DVDの5倍ありますので、最高画質で3時間の録画が可能です」

 「8ミリ、ハイエイトなど従来の高画質ビデオで子供の成長記録などを撮りだめているユー ザーは非常に大勢います。その映像資産を画質を落とさずに、しかも長時間ディスクメディアにダビングできるのはBDだけです。ノイズリダクション回路も 入っているので、むしろ更にすっきりした映像になると思います。アナログビデオなどは再生環境自体がどんどんなくなっているので、BDはこうした映像資産 を守る最高の手段になります」

 「商品発表をしてから家電量販店などと商談が始まっていますが、思った以上に評判がよ く、数百本単位での初期オーダーが入ってきています。量販機種ではないので最初から全店舗におくわけではなく、ある程度絞ってきちんと販売してくれる店舗 に置いていきます。しかし、もちろんBSデジタル放送は全国で流れていますから、量販店を含む全国の特約店で展開していきます」

――「BDZ-S77」は現行世代のDVDレコーダーでは主流になりつつあるHDDを搭載していません。また年内に放送が始まる地上波デジタル放送にも対応していませんね。

 「HDD搭載は商品企画の問題で、搭載しようと思えばいつでも搭載できます。大容量の HDDもこなれた価格になってきています。しかし、『BDZ-S77』はディスク上でバーチャル編集などかなり自由度の高い編集ができますので、今回はあ えてHDDを載せませんでした」

 「一方、地上波デシタル放送はまだ対応するテレビも発売されていません。規格は固まっ ているので予測してあらかじめ機能を盛り込んでおくことは可能ですが、実際に放送が始まってみると微妙に不具合が出る可能性もあり、ソニーとしてはそのよ うなものは出すわけにいきません。地上波デジタル対応を待っていたら確実に来年以降の発売になってしまいます。それでは“とにかく早く出してほしい”とい うお客様の声にこたられません」

40万円でも高くないと感じさせる価値を加えた

――デジタルハイビジョン放送を録画する機器として、ディスクメディア以外ではビクターなどが出しているデジタルハイビジョンビデオレコーダー(D−VHS)がありますが、こちらは実売価格が10万円台です。「BDZ-S77」の実売40万円は高すぎませんか。

 「BDは青紫色レーザーという最先端のダイオードを搭載、BSデジタルチューナーも内蔵 し、信号処理はすべてハイビジョン用に設計しています。DVDレコーダー(現行機種・1号機)が初めて発売されたとき25万円だったのに比べれば、1号機 としては実売価格40万円は格安の価格設定といえます。特約店からは“十分に安い”という声が上がっているくらいです」

 「2号機・3号機が出れば通常、機能は向上し価格は下がります。それを百も承知で1号 機を買われる先進ユーザーに、“1号機でなければ手に入らないバリューと満足感”を提供しなければいけないと考えています。2号機、3号機が出ても1号機 を使い続けたいと思っていただきたいのです。たとえば、本体正面のアルミについているロゴですが、厚さ3ミリのアルミ板に1台1台直接彫っています。ディ スクを出し入れする時の正面口の開き方・閉まり方だけで計10段階にスピードが変わり優雅に動作します。デザインには相当なこだわりがあります」

――現行DVDの規格を策定してきたDVDフォーラムで、東芝とNECは「AOD」という、現行DVDの構造にやや近いまったく別の次世代DVDの規格を提案していますが。

 「BDの基礎技術は2年ほど前にすでに光ディスクの学会で出来上がった“コンセンサス”で す。青紫色レーザー405ナノメートル、開口数0.85、カバー層0.1ミリというBDの3つのパラメーターはこの頃に出揃っていました。CD、DVD、 BDはそれぞれ違うステージの技術なんです。DVDが次世代CDではなかったように、次世代光ディスクのBDが現行DVDの延長線上にある必要はないと思 います。しかし、ユーザーにとっては互換性が重要ですから、「BDZ-S77」はDVD−R/RW規格の既存のDVDレコーダーで記録したメディアも再生 できるようにしています」

――今回「BDZ-S77」は映像記録にターゲットを絞っています。今後はBDのコンピューターの外部記憶媒体としての展開も考えていらっしゃいますか? BDは保護膜層が薄くベアディスク(裸のディスク)にするのが難しいのではないかという声もありますが。

 「『BDZ-S77』は1号機ですし、映像記録メディアとしてカートリッジに入っていた方 が取り扱いに便利だからカートリッジ方式を出しただけです。ハリウッドのスタジオでも“カートリッジに自社のキャラクターを入れたいのであった方がよい” というようなところもあります。ノートPC向けなどで“裸のディスクがよい”というのであれば、ディスクをハードコーティングするなどしてカートリッジな しのベアディスクにできる技術的なメドは立っています」

再生用規格策定には時間がかかりそう

――BDはまだ再生専用(ROM)ディスクの規格が固まっていませんね。また、2層化など今後の課題にはどのように取り組まれますか。

  「RE(書き換え可能型)規格としては、次は2層のものを出していくことになるでしょう。片面50GBの記憶容量を実現できると予想しています。さらに パッケージメディア、特にハイビジョン映画のタイトルが出てきてくれるといいと思います。そのために越えなければならない最大のハードルはROM(再生専 用)ディスクの規格です。9社合同で規格を策定していますので、各社の意見を盛り込んでいきますし、それに加えてコンテンツ側の意見も取り入れていく必要 がありますので、まとまるにはまだ相当時間がかかると思います」

  
★ソニーのブルーレイディスクレコーダー

新商品

世界初BSデジタルチューナー内蔵ブルーレイディスクレコーダー 発売
デジタルハイビジョン映像を、直径12cmの光ディスクに高画質で約2時間記録可能
   
BSデジタルチューナー内蔵ブルーレイディスクレコーダー『BDZ-S77』



 ソニーマーケティング株式会社は、次世代大容量光ディスク"ブル−レイディスク"(片面1層、23ギガバイト)に、最大36Mbpsという高速データ転送レートの特長を活かし、BSデジタルハイビジョン放送の高画質信号を約2時間記録・再生できる、世界初のBSデジタルチューナー内蔵ブル−レイディスクレコーダー『BDZ-S77』を発売します。 
 ※映像に付加されたデータ情報を含む

型 名 発売日 希望小売価格(税別)
BSデジタルチューナー内蔵ブルーレイディスクレコーダー
『BDZ−S77』
4月10日 450,000円

 BSデジタル放送の開始、大画面ディスプレイの登場により、家庭のテレビで高精細な映像を気軽に楽しむユーザーニーズが増加しています。
 本機は、映像の記録にBSデジタル放送でも用いられている国際標準MPEG-2 TS(トランスポートストリーム)方式を採用しています。
そのため、デジタル放送との親和性が高く、またBSデジタルハイビジョン放送に付加されたデータや、5.1chサラウンド音声圧縮方式のMPEG-2 AACも、そのまま記録・再生することが可能です。ブルーレイディスクに記録したデジタルハイビジョンの映像を、オンエア放送と同等の高画質、高音質でお楽しみいただけます。
 通常の地上波放送も、MPEG-2 TS方式にデータを変換し、MPEG-2ビデオ(MP@ML)の最大映像転送レートによって、高画質な映像が約3時間(HRモード時)記録できます。
SR/LRモード時では、それぞれ約6時間/12時間の長時間記録が可能です。
 また、不正なコンテンツ複製を防止する、高度な著作権保護機能を搭載しています。

ディスクの記録・再生互換について
 ・記録: ブル−レイディスク
 ・再生: ブルーレイディスク、DVDビデオ、DVD-RW(ビデオ、VRモード)、
DVD-R(ビデオモード)、音楽用CD、CD-R(CD-DA)、CD-RW(CD-DA)
※ブルーレイディスクの書き換え型規格(RE)に準拠したもの


●『BDZ−S77』の主な特長
1.ハイビジョン映像と5.1ch音声をそのまま2時間記録可能
 

BSデジタルチューナーを内蔵。DVDの約5倍の容量である23GBのディスクを使用することにより、BSデジタルハイビジョン放送を、高画質で約2時間記録できます。
また、BSデジタル放送の5.1chサラウンド音声MPEG-2 AACをそのまま記録でき、再生時にデコーダー内蔵アンプに接続すればサラウンド音声を楽しめます。

2.地上波放送も高画質/長時間録画可能
  地上波放送の録画時にも、MPEG-2 TSに変換して記録します。録画モードはHR/SR/LRの3モードを用意。映像については、HRモード時で、MPEG-2ビデオのMP@MLで規定され ている最大映像転送レートである15Mbpsまで対応し、地上波放送も従来のディスクレコーダーでは実現できなかった高画質で、約3時間記録することがで きます。
また、SR/LRモード時は、それぞれ約6時間/12時間の長時間記録が可能です。
 
■BSデジタル放送を録画する場合
記録モード 記録時間※3 記録時転送レート※4
DR
(ダイレクトモード)
1080i ※1 約2時間 最大24Mbps
720p ※1
BSマルチビュー ※2
480p ※1 約4時間 最大12Mbps
480i ※1 約4.4時間 最大11Mbps
 
■地上波放送、BSデジタル放送の長時間録画※5の場合 (DV入力を含む)
記録モード 記録時間※3 記録時転送レート※4
HR(高画質モード) 約3時間 16Mbps
SR(標準モード) 約6時間 平均8Mbps
LR(長時間モード) 約12時間 平均4Mbps
 

※1 有効走査線数。
※2 BSマルチビュー放送3番組分。
※3 DRモードの記録時間は、放送により異なります。
※4 映像、音声、その他データを含む、実記録レート。
※5 BSデジタル放送は、480iに変換後、記録されます。
3.高画質・高音質技術を結集
  <ブルーレイディスクドライブ>
ピックアップには新開発の2群対物レンズを採用し、23GBの大容量を実現しました。
ドライブユニットは、オイルダンパーとスプリングによる4点懸架で、ドライブ全体を衝撃から守るフローティングメカニズムを採用しました。

<ハイビジョン用デジタルノイズリダクション(DNR)>
より高画質な映像を楽しめるように、ハイビジョン用LSI「FBX(Frame & Block Noise Excellent Reduction)」を新開発しました。
フレーム間のノイズとMPEG特有のブロックノイズに対して効果があります。
フレーム間のノイズの量を測定し、ノイズが多いときは強めに、ノイズが少ないときには弱めにと、ハイビジョンの質感を損なわない最適なDNRの効き方を自動的に調整します。
また、地上波放送や、アナログ入力時用には、「MIP(MPEG Image Processor)」を録画用・再生用と
2基採用しています。

<IP変換用LSI>
プログレッシブ再生時に高画質な映像を楽しめるように、IP変換用LSI「DMAIPC(Dual Motion Adaptive IP Convertor)」を新開発しました。再生素材がビデオソースかフィルム素材かを自動的に検出し、それぞれに最適な処理を行うことで、DVDやBSデジタルの480i放送、アナログ外部入力時など、さまざまなソースで高画質なプログレッシブ映像が楽しめます。

<ゴーストリダクションチューナー搭載>
地上波チューナーには、ゴーストリダクションチューナーを搭載し、ゴーストノイズを除去します。
4.地上波放送とBSデジタル放送の電子番組表(EPG)に対応
地上波放送とBSデジタル放送で送られてくる電子番組表(EPG)に対応し、画面上に番組表を表示。番組表から録画したい番組を選び、簡単に録画予約を行うことができます。
録画したタイトルには自動的に番組表のタイトルを記録します。また、BSデジタル放送の番組表には、新開発のズーム機能を搭載し、EPGの表示範囲を8チャンネル24時間から1チャンネル1時間まで4段階で拡大表示可能。EPGから見たい番組を探しやすくしました。
地上波アナログ放送の番組表は、ジェムスター社が開発した「Gガイド」を採用しています
(運営主体は、株式会社インタラクティブ・プログラム・ガイド)。
5.プログレッシブでDVDを再生可能
DVDディスクも再生可能。プログレッシブ出力で高精細に映像を楽しめます(出力モードD3/D4時)。また、DVD-RW(VRモード)にも対応し、DVDレコーダーで記録/編集したディスクを再生することができます。
6.DV端子を装備し、ビデオカメラからの多彩なダビングが可能
本体前面にDV端子を搭載。デジタルビデオカメラで撮影した、とっておきの映像を ディスクに保存可能。DVテープの映像をまるごと録画する〈シンプルダビング〉、取り込みたい映像を選択する〈プログラムダビング〉、再度同じ内容を録画 する〈複製ダビング〉の3つの機能を搭載しており多彩な編集が可能です。なお、映像はMPEG-2 TSに変換されて記録されます。
7. ライブラリー管理が手軽にできる"ディスクマネジメントID"機能
ディスクの製造時、カートリッジにはあらかじめ5桁のIDを付加。このディスクマネジメントIDは、本機に自動的に記憶され(最大100枚のディスク/各100タイトル)、ライブラリー管理が手軽に行えます。
8.次世代をイメージさせる先進デザイン
まるで浮いているかのような存在感のある「フローティングコンセプト」デザインを採用。
フロントドア部「リンクモーションドア」は不等辺四節リンク機構の採用により、美しく品位のある軌跡を描くように調整されています。
9.高度な著作権保護を実現 
高度な著作権保護技術により、コピーワンスコンテンツにも対応。一世代のみ(一回のみ)録画することを許可された映像も記録できます。
   
★ブルーレイディスク(BD)規格とは

 昨年(2002年)2月、ソニー・松下・フィリップスの3社に、日立、パイオニア、シャープ、韓サムスン電子、LG電子、仏トムソンの6社が加わった9社連合が、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc=BD)規格を提唱した。光源は405ナノメートル青紫色レーザー、対物レンズのNA(開口数)は0.85、保護膜厚は0.1ミリ。

 これに対し、同年8月、DVD−R/RW/RAMという現行DVDレコーダーの規格を策定してきたDVDフォーラム(日本のほとんどの大手電機 メーカーを含む世界200社以上が加盟)において、中心メンバーである東芝とNECは共同で、より現行DVD規格との連続性を重視したアドバンスト・オプ ティカル・ディスク(Advanced Optical Disc=AOD)規格を提案した。光源はBDと同じ405ナノメートルだが、NAは0.65、保護膜厚は0.6ミリ(張り合わせ)。

AOD(仮称) Blu−ray Disc
構造 0.6mm基板2枚貼り合わせ
NA0.65方式
0.1mmカバー(基板1枚)
NA0.85方式
記録層1層基板 15/30/GB(ROM)
20/40GB(RAM)
23/25/27GB(RAM)
記録層2層基板 DVDと同等
45/60GB(ROM)
60/80GB(RAM)
量産が難しい
50GB
カートリッジ 不要 現在は必要
PC用ドライブ 可能 現在は困難
ディスク量産性 DVDと同等 新規設備投資が必要
CD/DVD互換性 単一レンズ 複数レンズ
推進・規格化団体 DVDフォーラム(217社) Blu-ray Disc Founders(9社)

 BDはNAが0.85とAODよりきつい絞りになっており、その分ビームスポットを微細化できるので、記録密度向上の余地も多い。また、 保護膜厚が薄くレンズと記録層が近接しているため、精密な制御が必要になる半面、ディスクの傾きには強い。保護膜の厚さは光信号の屈折・拡散につながるの で、保護膜の薄いBDは屈折が少ない分さらにトラックピッチを狭くできる。

 AOD規格は、0.6ミリ×2枚張り合わせという現行DVDと同じ構造を採用したことで、原盤製作以外 のスタンピング(量産)工程の生産設備が最小限の改造で済むため設備投資が節減できる、とAOD陣営は主張している。また、NAは0.65でBDの 0.85と比べると絞りが緩いが、その分BDよりディスク上のゴミやホコリに強く、薄型ノートPCなどに要求されるベアディスク(裸のディスク)により容 易に対応できる。DVDレコーダーの市場は実は大半がコンピューターの外部記録装置用なので、ベアディスクが作りやすいというのは有利かもしれない。

 BD規格とAOD規格は歩み寄ることなく、次世代光ディスクの規格は2つに分裂した。ソニーのブルーレ イディスクレコーダー「BDZ-S77」はこのように統一規格への動きが暗礁に乗り上げた中で、9社の合意のもとに世界に先駆けて商品化したもので、果た して先手必勝となるのか、あるいは逆に先走りによる失敗になるのか、成否を両陣営の各社が注視している。

 今後の各社の動きだが、AODはまだ規格自体が「提案中」という段階で、仮に年内に規格が固まってきた としても、商品化は早くて2004年以降になる公算が大きい。一方、BDもまだRE(書き換え可能型)規格しか固まっておらす、映画などパッケージメディ アを供給するのに不可欠なROM(読み出し専用)ディスクの規格策定が急がれる。しかし、こちらも9社の思惑にコンテンツホルダーの意向も入り乱れて紆余 曲折が予想され、商品化は早くても2005年になりそうだ。BD連合の松下もBDの商品化については「検討中」(広報部)と静観の構えを見せている。

★地上デジタル放送って何?…地上アナログ放送は2011年終了
■アナログ放送⇒デジタル放送への移行スケジュール

 地上デジタル放送は、関東、中京、近畿の三大広域圏の一部で2003年12月1日から開始され、その他の地域でも、2006年末までに放送が開始される 予定です。該当地域における受信可能エリアは、当初限定されていますが、順次拡大される予定です。
 地上アナログ放送は2011年7月に、BSアナログ放送は2011年までに終了することが、国の方針として決定されています。

★携帯電話向けテレビ放送延期…地上デジタル、圧縮技術はMPEG(エムペグ)4特許使用料が問題

 「電車に乗っていながらケータイで野球中継が見られるように なります」。そんなうたい文句で期待されていた地上波デジタル放送での携帯電話向けテレビ放送が、12月の放送開始に間に合わないことになった。日本民間 放送連盟(民放連)とNHKが朝日新聞の取材に認めた。テレビ映像の受信に欠かせない技術の特許を使えるめどが立たないためだ。国のIT(情報技術)戦略 の要とされる地上波デジタルの予備免許は18日に交付されるが、世界でも先例がない携帯電話向け放送はいつ始められるかの見通しも立っていない。

 地上波デジタル放送は(1)髪の毛が1本ずつ見えるほどの高精細画質とCD並みの音質(2) ニュースや天気などの情報をいつでも利用できるデータ放送や双方向機能(3)自動車内のテレビや携帯電話、携帯情報端末など移動体向けに固定受信機と同じ 画質の放送ができる、が特色だ。(1)と(2)はすでに00年12月からBSデジタル放送で実現している。

 現在のアナログ放送や衛星放送でもできなかったのが(3)。総務省放送技術課によると、日本独 自の地上波デジタル放送方式によって可能となった。地上波デジタルで先行した欧米でも携帯電話向けのテレビ放送は実現できておらず、世界初になるはずだっ た。放送局や携帯電話会社側も、力を込めてアピールし、展示会に試作品を展示したりしていた。

 アンテナの小さい携帯電話へ放送局から電波に乗せた映像を送るためには、デジタル化された映像情報を圧縮する技術が不可欠だ。

  放送局側が当初採用しようとしていた圧縮技術はMPEG(エムペグ)4。問題となったのは使用料だ。民放連やNHKによると、放送局側は送信設備代に含め た一括支払いの方針だが、日米などのメーカー20社で構成する特許保有団体は、携帯電話などの移動端末の利用時間や利用台数といった実績に応じた支払いを 求めているという。

 民放連やNHKは、こうした支払い方法は前例がなく、採算面でも放送事業になじまないと判断。両者で連携して別の圧縮技術を使う道を模索し始めたが、いつ解決するかは見通せない状況だ。

  民放連でこの問題に取り組んでいる前川英樹・TBS上席執行役員は「特許問題が解決しても送信設備の準備にはそれから1年ほどかかるだろう」とみている。 ある携帯電話事業者は「ユーザーの需要は高いと思うが、放送局の方針がはっきりしないと机上の空論に終わりかねない」と当惑する。

 地上波デジタル放送の免許で各放送局に与えられる周波数帯域には、携帯電話向けの帯域も含まれているが当分使われそうにない。総務省地上放送課は「携帯電話向け放送は地上波デジタルの免許認定の要件ではないので、免許交付には影響ない」としている。

          ◇◆◇◇      ◇◆◇◇

■地上波デジタル放送

 今年12月から東京、大阪、名古屋で始まり、06年にはその他の地域にも拡大する次世代テレビ放送。現在のテレビ受信機では見ることは出来ず、専用の受 信用機器が要る。総務省の計画では、11年までに全世帯に普及させ、現行のアナログテレビ放送はやめるとしている。